山之口洋さんの「完全演技者」 演劇関係の本をまとめて買ったうちの一つ (他は絹川さんのこれとか平田オリザさんのこれ) 日本の青年が一枚のレコードに惹かれ、NYまで行きます。 エキセントリックな設定に引き込まれつつも、 ちょっと無理あるんじゃ、、と思ったりしたのは、 主人公が化学科出身という設定で、 人の体を冷静に観察してたりするから? それとも、漠然とコミュニケーションについて考えていて、 それに関する参考文献的に読んでしまったから? トータルパフォーマーと読ませるこのタイトルから、 パフォーマンスとは?を学ぼうとして読み始めたので、 それがなければ、もっと楽しめたかな。。。 本屋さんで見かけた方は、カバーをはずすといいです。 ハードカバーなのに装丁の下がきれいでした。。 良かった点 1、不治の病として、後天性免疫不全症候群を出したところ。 だって80年代だものね。(すでに発症を抑える薬は開発されてるはず。高いけど) 2、シュウは恋人と悲しい別れをする。 きちんとネモの意志を継いでいる。ネモとのコミュニケーションは完璧。 3、中国人系闇医者。 うさんくさい感じが好き♪ 嫌いな点 1、MDMA → ドラックがなければエキセントリックを演出できないの? 飲んでる人いたからすごい嫌だった。それだけです。 凡人をスーパーマンにするのに、必要なのかもしれない。でも、すごく悲しい。 2、音楽関係の小説にありがちな、紅一点に、ボスと入り込んだ主人公が兄弟に。 設定を少し変えてるのはいいけど。。というか、ここはこの小説の核だから、ゆるそう。 3、機械系といえばMIT? 作者は東大の工学部出身で、エンジニアやってたらしいけど、 頭よくて、冷静で、ちょっとおかしい、clever ,cool,crazyの3Cを設定に出すとき、 多くの物語でMITになるのはちょっと、、、 というわけで、星3つかなぁ。
by harkul
| 2005-11-12 14:19
| 本
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